熱で髪はどう傷む?|タンパク変性・キューティクル・水分の関係と熱ダメージ対策

「毎日ドライヤーやヘアアイロンを使っているけれど、髪へのダメージが気になる」
「トリートメントをしているのに、パサつきやゴワつきが改善しない」

このようなお悩みはありませんか?

髪の熱ダメージは、単に水分が失われて乾燥するだけではありません。高温の熱によって、髪を構成するタンパク質の構造が変化したり、キューティクルや毛髪内部の脂質に影響が及んだりすることがあります。

今回は、熱によって髪の内部で何が起こるのか、そしてダメージを防ぐために日常生活でできる対策を、美容師の視点からわかりやすく解説します。



1. 熱によって起こる「タンパク変性」


髪の約80〜90%は、ケラチンというタンパク質で構成されています。

ケラチンは、さまざまな化学結合や分子間の相互作用によって、髪のしなやかさや強度を支えています。

しかし、高温の熱が加わると、タンパク質の立体構造や分子間の相互作用が変化することがあります。これを「熱変性」といいます。

例えば、生卵に熱を加えると、透明だった白身が白く固まります。これはタンパク質の構造が変化するためです。

髪でも、熱によってケラチンの構造が変化し、毛髪本来の性質が損なわれることがあります。

熱ダメージが進行すると、髪の弾力性や強度が低下し、硬さやゴワつき、切れ毛などにつながる場合があります。

ただし、髪と卵ではタンパク質の構造や周囲の環境が異なるため、まったく同じ現象が起こるわけではありません。

ヘアダメージ
熱ダメージ
タンパク変性



2. キューティクルや脂質にも影響する


熱によるダメージは、タンパク質だけの問題ではありません。



① キューティクルの損傷


キューティクルは、髪の表面を覆ううろこ状の組織です。

外部からの刺激から毛髪内部を守り、髪のツヤやなめらかな手触りにも関係しています。

熱による負担が繰り返されると、キューティクルの表面が傷ついたり、浮き上がったり、剥がれたりすることがあります。

その結果、髪の表面がなめらかでなくなり、光がきれいに反射しにくくなるため、ツヤが低下します。

また、髪同士の摩擦が増えることで、絡まりや引っかかりも起こりやすくなります。



② 毛髪脂質への影響


髪には、表面や内部にさまざまな脂質が存在しています。

代表的なもののひとつが、キューティクル表面に存在する18-MEAという脂質です。

これらの脂質は、毛髪表面の疎水性や摩擦特性、まとまりやすさなどに関係しています。

熱や薬剤などによるダメージで脂質の量や状態が変化すると、髪の手触りやまとまりに影響する場合があります。



③ CMCへの影響


CMC(細胞膜複合体)は、毛髪を構成する細胞同士の間に存在する構造です。

細胞同士をつなぐ接着部分のような役割を持ち、毛髪内部での水分や物質の移動にも関係しています。

熱や薬剤による損傷が重なると、毛髪内部の構造や水分の移動に影響する可能性があります。

このように、熱ダメージは髪のさまざまな構造に関係しているのです。

ヘアダメージ
熱ダメージ



3. 水分の急激な蒸発にも注意


特に注意したいのが、濡れた髪に高温のヘアアイロンを使用することです。

濡れた髪に高温の熱を加えると、毛髪内部の水分が急激に蒸発し、内部に隙間や亀裂などの構造的な損傷が生じる場合があります。

また、髪は濡れると物理的な性質が変化し、引っ張る力などの影響を受けやすくなります。

その状態でアイロンを滑らせると、熱による負担に加えて、摩擦や引っ張りによる負担も重なる可能性があります。

ヘアアイロンを使用する前には、髪をしっかり乾かすことが大切です。

表面だけでなく、内側の毛束まで乾いているか確認しましょう。

ヘアダメージ
ヘアアイロン



4. 熱ダメージを防ぐ5つの習慣


熱によるダメージを完全になくすことは難しいですが、使い方を工夫することで負担を減らすことができます。



① ヘアアイロンの温度を上げすぎない


高温に設定すれば、必ずしもきれいに仕上がるわけではありません。

必要以上の高温は避け、髪質やダメージの状態、スタイリングに必要な条件に合わせて温度を調整しましょう。

ブリーチ毛や細く弱った髪は、特に慎重な温度設定が必要です。



② 同じ場所に何度もアイロンを通さない


同じ部分に繰り返し熱を加えると、ダメージが蓄積する可能性があります。

事前に髪の絡まりを整え、適切な毛束の厚さで、必要以上に何度もアイロンを通さないようにしましょう。



③ ドライヤーを近づけすぎない


ドライヤーの熱風を近距離から同じ場所に当て続けると、毛髪の温度が上がりすぎるおそれがあります。

適度な距離を保ち、ドライヤーを小刻みに動かしながら乾かしましょう。

髪を乾かす時間や熱風が当たり続ける時間を減らすことも大切です。



④ アイロン前に髪を完全に乾かす


濡れた髪への高温アイロンは避けましょう。

ドライヤーでしっかり乾かし、内側の毛束に湿り気が残っていないか確認してから使用します。

なお、ドライヤーとヘアアイロンでは熱の伝わり方が異なるため、同じ温度であっても髪に与える影響は同じではありません。



⑤ 熱保護効果のあるケア剤を使う


アウトバストリートメントなどには、髪の表面を整えたり、摩擦を軽減したり、熱による影響を抑えることを目的とした製品があります。

ただし、すべてのトリートメントに同じ熱保護効果があるわけではありません。

使用方法や耐熱性に関する製品表示を確認し、ドライヤー前・アイロン前など、使用するタイミングに合った製品を選びましょう。

ダメージケア
熱ダメージ
ヘアダメージ



5. トリートメントで髪は元に戻る?


熱によって損傷した髪は、トリートメントだけで完全に元の状態へ戻せるわけではありません。

髪は毛根で作られた後、毛幹と呼ばれる部分では基本的に自己修復しないためです。

しかし、適切なヘアケアによって、手触りやまとまりを改善することは期待できます。

髪の状態に合わせて、次のような成分に着目してみましょう。

– 加水分解ケラチンなどの補修成分: 毛髪表面や損傷部分に作用し、手触りや毛髪特性を整えることを目的とした成分
– 毛髪脂質に着目したケア: 毛髪表面の保護や摩擦特性に配慮したケア
– 保湿成分: 髪の水分保持や柔軟性に配慮したケア
– コンディショニング成分: 毛髪表面を整え、指通りやまとまりを改善するための成分

大切なのは、成分の名前だけで判断せず、髪の状態や製品の処方に合わせて使い分けることです。

また、ダメージが強い髪ほど、補修ケアだけでなく、これ以上ダメージを蓄積させないための工夫も重要になります。

ダメージケア
トリートメント



6. きれいな髪を保つために大切なこと


髪の熱ダメージは、単なる乾燥ではありません。

・ケラチンタンパク質の構造変化
・キューティクルの損傷
・毛髪脂質やCMCへの影響
・水分の急激な蒸発による構造的な損傷

こうした変化が重なることで、パサつきやゴワつき、ツヤの低下、切れ毛などにつながることがあります。

大切なのは、「熱を適切に使うこと」と「髪の状態に合ったケアをすること」です。

補修することも大切。でも、傷ませないことはもっと大切。

毎日の小さな習慣が、未来の髪を守ります。



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金沢市玉鉾のプライベートヘアサロン MARCA では、一人ひとりの髪質やダメージの状態に合わせて、髪の状態を見極めながら施術やホームケアをご提案しています。

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髪の状態に合ったケアを、一緒に考えていきましょう。

金沢市のプライベートヘアサロン MARCA(マルカ)

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